【大会レポート3日目】2019年4月21日
人にも車にも疲れが出てくる後半戦
後半戦となる3日目。まずまずの天気で朝を迎え、恒例の作業を行うエントラントたち。ここまで約515kmの道のりを何事もなく走ってきた車たちにも、疲労の色が見え隠れしている。残念ながらリタイアとなってしまった車も数台出てきた。リタイアの扱いにはなるが、別の車に乗り換えて最後まで走り切ることは許されているため、急遽違う車を用意して残りの工程を走行するエントラントも。何はともあれ、無事に京都までたどり着けるかどうかが、後半戦の重要なポイントとなる。
午前7時に Hotel & Resorts WAKAYAMA-MINABE を出発すると、海沿いを走り御坊市のエネルギーパークへ。ここではスタンプとPC競技が行われたのだが、早朝にもかかわらずたくさんの地元の方たちが応援に駆けつけ、声援を送ってくれた。勝負の行方が気になるエントラントたちにとって、後半戦のPC競技は1つ1つの結果が大事になってくる。疲れが出てくるタイミングでもらう地元の方たちからのエールは、何よりも励みになる。
エネルギーパークを出ると、日高川町の日高川交流センターと有田川町の有田川鉄道公園、和歌山市の和歌山城の3つのスタンプポイントを経由し、和歌山県の最後のポイントとなる島精機製作所へ向かう。
島精機製作所でも多くの歓迎を受けたエントラントたちは、笑顔でその声に応えていた。子どもたちの姿も多く見られ、懸命に手旗を振る姿にたくさんの元気をもらった。この子たちが大きくなって、目の前で見た車のことを思い出し、将来こんな車に乗りたいとか、こんな車の機械を触ってみたいと思ってくれたら、それはとても嬉しいことだ。
島精機製作所を出た後は、大阪へ。貝塚市役所でスタンプを受けると、奈良県の桜井市を目指す。スタンプポイントの談山神社を経由して、笠そばへ。笠そばでは計測結果公開形式のPC競技が予定されていたのだが、このイベントを見に来てくれた人と車の数が、当初想定していた数を大幅に上まわり危険と判断。やむなく競技は中止となった。
桜井市を出ると、この日最後の競技ポイントとなる山添村の名阪スポーツランドを目指す。ここではカートコースを使用したPC競技が行われ、コーナーの先に置かれた計測ラインは、手前のラインからの距離がつかみにくい。エントラントたちはハンドル操作とアクセル・クラッチ操作に神経を集中し、計測ラインを踏むタイミングを必死に合わせていた。
奈良県最後のポイントでもある名阪スポーツランドを出ると、兵庫県の三木市へ。3日目のゴールとなる NESTA RESORT KOBE でこの日最後のスタンプを受けると、たくさんの人たちがエントラントにお帰りなさいと声をかけ、温かく出迎えてくれた。約380kmもの道のりを走行してきたエントラントたちにとって、ゴールで待っていてくれる人たちの存在は、とても大きい。
人にも車にも疲れが出てくる後半戦。成績も大事だが、まずは最後まで無事に完走することが最も大切なこと。そのために忘れてならないのは、メカニックたちの存在だ。彼らは毎晩遅くまで車のメンテナンスを行い、緊急時は担当するエントラントのものではない車も診てくれている。メカニックを帯同していないエントラントの車も、調子よく走れるのは日々メンテナンスを行ってくれるメカニックがいるからこそ。彼らのサポートなしに、半世紀以上前に造られた車を4日間で約1,250kmも走らせることは不可能だ。チームとして、彼らもエントラントと一緒に戦っているのだ。
最終日の4日目は、兵庫県・三木市を出発し、ゴールとなる京都市の岡崎公園を目指す。走行距離は約339km。1台でも多くの車が完走できることを願っている。
(文&写真:岩本 美香)
エネルギーパークで朝一番のPC競技に臨む GIAUR TARASCHI
島精機製作所を出発する STANGUELLINI S1100
島精機製作所で多くの人たちに見送られる AUSTIN HEALEY SPRITE
名阪スポーツランドのカートコースを使ったPC競技に挑む ERMINI 1500S
NESTA RESORT KOBE に到着しメンテナンスを行うメカニック