La Festa Primavera 2021

大会レポート

【大会レポート4日目・表彰式】2021年4月19日

小宮夫妻チームが初優勝に輝く

最終日の朝は、すっきりと晴れて、眩しい青空が広がっている。春の旅も、今日でおしまい。競技も大事だが、まずはゴールまで無事に走りきることを目指す。

午前7時にホテルのエントランス前から出発すると、敷地内の駐車場で最後のPC競技が行われた。泣いても笑っても、この結果次第で最終的な順位が決まるということもあり、エントラントたちは朝から気合い十分だ。8連続のPC競技に真剣な眼差しで挑むその姿からは、エントラントたちのこの競技にかける想いが伝わってくる。

競技を終えるとホテルを後にし、神河町役場、山城の郷、豊岡市役所出石庁舎、日本・モンゴル民族博物館を経由し、兵庫県を走り抜け、京都府に入る。晴れ渡った空がどこまでも続き、心地よいドライブが続く。

京都に入ると、日本海を望む宮津市営天橋立駐車場でスタンプを受け、海沿いを走り、ランチ会場の HOTEL & RESORTS KYOTO MIYAZU へ。静かな水面に反射する日の光が、キラキラと眩しい。

HOTEL & RESORTS KYOTO MIYAZU を出ると、ゴールとなる南丹市のかやぶきの里 美山を目指す。今回は新型コロナウィルス感染拡大の状況を鑑みて、平安神宮前の岡崎公園でのゴールセレモニーを急遽取りやめ、かやぶきの里をゴールとすることとなった。

例年とは違うかたちで最終ゴールを迎えたエントラントたちだったが、約1,260kmを走りきったその表情は、とても晴れやかだ。穏やかな午後の日差しに包まれた、緑溢れる美しい里山に溶け込んだ車たちの姿は、どこか誇らしげに見えた。

京都市内を通過し、ホテルに到着すると、急いで着替えてフェアウェルパーティへ。まん延防止等重点措置が発令中のため、パーティ会場も午後8時までとなり、間隔を開けた座席にはアクリル板が設置され、静かに食事を楽しんだ。食事が終わると、いよいよ表彰式が始まる。

今年の La Festa Primavera は、例年とは違ったかたちでの開催となったが、エントラントたちは最後まで無事に完走することを目標とし、PC競技に真剣に取り組みながら、上位、そして優勝を目指して走り抜いた。

今回、第3位となったのは、No.53の横田・大木チーム。2018年の La Festa Primavera 王者が、今回もその実力を見せつけた。

第2位は、秋の La Festa Mille Miglia ではほぼ負けなし、春の La Festa Primavera でも何度も優勝している、No.1の竹元夫妻チームが入賞。3日目まで1位をキープしていたが、最終日に逆転という結果に。

その逆転劇を見せ、見事初優勝に輝いたのは、No.31の小宮夫妻チームだ。2015年から休むことなく La Festa Primavera に出場してきたチームが、初めて手にした勝利に、仲間たちからもあたたかな祝福が送られた。

4日間を通して、この上位3チームは、一度も1位から3位までを譲ることなく、他の追随を許さなかった。競技において、その安定した強さを実感することとなった4日間だった。

午後8時にはすべての行程が終了し、La Festa Primavera 2021 は閉幕した。今回はコロナ禍での開催ということもあり、できる限りの対策を行った上でスタートしたが、果たして地域の方々に受け入れてもらえるのかどうか、不安なところもあった。しかし、行く先々では待っていてくれる人たちがいて、あたたかく迎えてくれる人たちがいた。その姿に、何度も心を揺さぶられた。わたしたちが走ることで、誰かを笑顔にすることができたのなら、こんなに嬉しいことはない。来年は、すべての人たちが安心して、心から楽しめる状況で開催できることを祈っている。

(文&写真/岩本 美香)
初優勝に輝いた小宮夫妻チームには、あたたかな拍手が送られた
初優勝に輝いた小宮夫妻チームには、あたたかな拍手が送られた
出発前、早朝からメンテナンスを行うメカニック
出発前、早朝からメンテナンスを行うメカニック
NESTA RESORT KOBE で最後のPC競技に挑む BUGATTI T40
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宮津市営天橋立駐車場でスタンプを受ける ASTON MARTIN LE MANS SPECIAL
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かやぶきの里 美山にゴールする BENTLEY DERBY
かやぶきの里 美山にゴールする BENTLEY DERBY
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